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委員の意見対立、「臨床研修は医師不足の原因か?」◆Vol.1

レポート 2008年9月9日 (火)  橋本佳子(m3.com編集長)

会議の冒頭挨拶する、舛添要一・厚生労働大臣。 厚生労働省と文部科学省の両省が主催する、「臨床研修制度のあり方等に関する検討会」の第1回会合が9月8日、開催された。同検討会は、去る8月24日、舛添要一・厚生労働大臣が、「安心と希望の医療確保ビジョン」具体化に関する検討会で、医師不足対策として卒後臨床研修の見直しを指示したことを受けて設置された(『卒後臨床研修が医師不足の原因」と舛添大臣、制度見直しへ』を参照)。 この日はフリーディスカッションが中心だったが、「臨床研修が医師不足の原因であるか否か」について委員の意見は対立した。結局、「どの地域の、どの専門分野の医師が不足しているのか、データがないと議論できない」(福井次矢・聖路加国際病院長)ことから、議論は深まらなかった。次回以降、厚労省がどの程度、詳細なデータを出せるかが焦点になっている。 もっとも、どんなデータが出て議論されるにせよ、今回の検討会では、臨床研修制度の小幅な見直しにとどまると見るのが妥当だろう。臨床研修制度の見直しは、医学教育と後期研修とも関連する重要な問題だが、全体を総括した議論にはまず時間が足りない。 現在、想定され...