医療提供体制は「今日的医師不足」の状態◆Vol.1
レポート
2008年6月16日 (月)
司会・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)
「医療再生のためには、税や保険料の引き上げなどの負担増が必要」。これは、虎の門病院・小松秀樹氏、慶應大・権丈善一氏の一致した意見だ。しかし、医療界では、医療費増の必要性は認めながらも、負担増に対する反対論が根強い。そこで、両氏に、現状の医療に対する認識から、医療費の水準や財源論に至るまで対談してもらった。第1回のテーマは、医療の提供体制から見た現状認識。「今日的医師不足」に陥っているという結論だ(対談は、2008年5月28日に実施。計4回に分けて連載)。 小松秀樹氏 1974年東京大学医学部卒。山梨医科大学(現山梨大学)助教授などを経て、99年より現職。2006年に上梓した『医療崩壊』(朝日新聞社)が話題に。臨床医の視点から、医療の現状に問題提起を続ける。最新刊に『医療の限界』(新潮新書)。 ――医療費の水準やその負担のあり方を考える際には、現状の医療提供体制がどうなのか、質量ともに十分なのかを踏まえる必要があります。その辺りからお伺いします。 小松 これまではぎりぎりで医療提供体制が維持できていましたが、危なくなってきているという認識です。その一因は、「フリーアクセス」という、非常に...
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