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「麻酔科医不足」を院内掲示したわけ◆Vol.2

レポート 2008年5月27日 (火)  司会・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

「実は、当初は麻酔科医の退職を隠そうという雰囲気だったが、『嫌だ』と言った」。国立がんセンター中央病院院長の土屋了介氏はこう語る。がんセンター中央病院に限らず、日本全体で、麻酔科医だけではなく、内科系、外科系医師ともに不足している現状を患者さんに正確に伝えるとともに、世間にこの窮状を訴えるためだという。帝京大麻酔科学講座主任教授の森田茂穂氏との対談の第2回をお届けする。 森田茂穂氏 ――改めてお聞きしますが、がんセンターの待遇ですが、勤務時間などはどうなのでしょうか。 土屋 勤務時間の考え方ですが、文部科学省管轄の大学病院とは異なり、厚労省管轄のがんセンターでは、日中に研究をやるという概念はなく、100%臨床に携わる前提になっています。したがって、がんセンターは研究機関でもあるのですが、研究に対して時間外手当はつきません。学会も、公的な出張扱いにはなりません。 森田 大学ですと研究・教育も業務の一環とみなされていますので、学会発表などは公的出張として扱われております。 土屋 ただし、臨床の部分については、医師の中で、麻酔科だけは時間外手当をすべて支払っています。当センターは予算制ですの...