給与の安さが退職の理由ではない◆Vol.1
レポート
2008年5月26日 (月)
司会・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)
先月初め、「国立がんセンター中央病院で、麻酔科医の半数が一斉退職」というニュースが流れ、話題になった。麻酔科医退職の本当の理由は何か、採用のメドは立ったのか、そもそも麻酔科医不足が指摘される折、がんセンターとして、さらには国として今後どんな対策を講じるべきなのか――。院長を務める土屋了介氏と、大学の中でも有数の麻酔科学講座である、帝京大学麻酔科学講座主任教授の森田茂穂氏に語ってもらった。第1回は、退職の理由について(対談は、2008年5月7日に実施。計3回に分けて掲載)。 土屋了介氏 1970年慶応大医学部卒、同大外科入局。米国メイヨークリニック留学、防衛医大助手などを経て、79年から国立がんセンター中央病院外科に勤務。2002年副院長に就任、2006年4月から現職。 ――麻酔科医はこの3月末に5人退職し、5人になったとお聞きしています。 土屋 がんセンターの麻酔科常勤医の定員は10人で、この3月末で5人退職しました。ただ、手術麻酔には常勤医のほか、非常勤医とレジデントも携わっています。レジデント制度は3年間のプログラムで1学年は30人。1年目のレジデントが、麻酔科や緩和医療、ICUに...
m3.comは、医療従事者のみ利用可能な医療専門サイトです。会員登録は無料です。