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「人工呼吸器外し」の社会的議論が必要 - 亀田総合病院院長・亀田信介氏に聞く

インタビュー 2008年12月11日 (木)  聞き手・橋本佳子(m3.com編集長)

「意思疎通ができなくなったら、人工呼吸器を外してほしい」。亀田総合病院(千葉県鴨川市)はこの10月、記者会見を開き、同院の倫理問題検討委員会が、このALS(筋萎縮性側索硬化症)患者の要望を尊重するよう、院長の亀田信介氏に提言したことを公表した。亀田氏は、「現行法では、人工呼吸器を外せば刑事責任を問われる可能性がある」とし、その上で「延命治療中止の是非などを検証するフレームが必要」と強調する。臨床倫理に関する社会的議論の必要性を指摘する亀田氏と、ALS患者の主治医である地域医療管理部長の小野沢滋氏に聞いた(2008年11月26日にインタビュー)。 ――先生がお考えになっている「延命治療中止の是非を検証するフレーム」とはどんな仕組みでしょうか。 亀田 一度付けた人工呼吸器を外すのが妥当かどうか、その答えを出すことは容易ではありません。第一の理由として、医学は常に進歩するため、その回答は時代とともに変化し得ることが挙げられます。 例えば、私が医師免許を取得した1982年当時、「死産」と「流産」の境は妊娠24週でした。その後、新生児医療の進歩に伴い、現在では妊娠22週になっています。 今回、当...