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「2次救急の拠点化」では問題は解決せず-昭和大学救急医療教授・有賀徹氏に聞く

インタビュー 2008年7月2日 (水)  聞き手・橋本佳子(m3.com編集長)

救急医療をめぐっては、患者の受け入れ困難事例が一般紙で問題視され、救急医の不足も相まって、社会問題化している。その解決策の一つとして挙がっているのが、「2次救急医療の拠点化」だ。厚生労働省の検討会などで提案されているものだが、昭和大学救急医学教授で、日本救急医学会理事を務める有賀徹氏は、「全国一律に2次救急の拠点を整備しても、問題は解決しない。拠点病院という“箱モノ”は、厚労省のおもちゃ箱にすぎない」と疑義を呈する。その理由を聞いた。(2008年6月28日にインタビュー) 「拠点病院という“箱モノ”は、厚労省のおもちゃ箱にすぎない」と問題視する、昭和大学救急医学教授の有賀徹氏。 ――厚生労働省の「救急医療の今後のあり方に関する検討会」では、診療体制や活動実績などについて一定の基準を満たしている2次救急医療機関(仮称:地域救急拠点病院)の整備が検討されています。 「拠点病院」という新たな箱モノを作っても、何も問題は解決しません。 その理由は幾つかあります。(1)救急医療には「入口」の整理が必要ですが、それが現状では実施されていない、(2)救急医療の「出口」についても一体化して議論する必要...