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安房医師会病院に見る経営譲渡の難しさ-公認会計士氏・長隆氏に聞く

インタビュー 2008年5月14日 (水)  聞き手・橋本佳子(m3.com編集長)

この4月、経営難に陥った安房医師会病院(千葉県館山市)が、亀田総合病院などを運営する医療法人鉄薫会の関連の社会福祉法人太陽会に譲渡され、「安房地域医療センター」として再スタートを切った。医師会立病院だが、公的補助金を受けて新築した経緯があるなど、公立病院の譲渡に近い事例。折りしも、この4月から総務省は公立病院の改革に着手しており、本ケースから得られる教訓は多い。今回の譲渡を主導し、総務省の「公立病院改革懇談会」の座長を務めた、公認会計士の長隆氏(東日本税理士法人)に、話を聞いた。 1964年早稲田大学卒業。東日本税理士法人・代表社員。公認会計士・税理士。95年より2006年まで総務省地方公営企業経営アドバイザーとして、夕張市など全国の自治体病院改革に取り組む。2007年には総務省公立病院改革懇談会座長を務めた。 ――譲渡直前の今年3月、県の担当者と地元医師会会長や先生が出席した会議はかなり荒れたそうですね。 はい。既に地元の館山市長も加わった選定委員会で、社会福祉法人太陽会(千葉県鴨川市)に安房医師会病院(149床)を譲渡することが決まっていました。その最終段階で、「社会福祉法人の定款...