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“医療崩壊”阻止には「見積書」が不可欠-慶応義塾大学商学部教授・権丈善一氏に聞く

インタビュー 2008年5月9日 (金)  聞き手・橋本佳子(m3.com編集長)

権丈善一氏は、医療費増加を主張する経済学者。「いったい、どの程度の医療費増が必要なのか。それにより、どんな医療が実現できるのか、その見積書を提示することが必要」と説く。その役割を、今医療者に期待しているという。福田康夫首相が座長の社会保障国民会議のメンバーも務める権丈氏に、持論を聞いた。 1985年慶応義塾大学商学部卒業、90年同大商学部助手、94年助教授、2002年から現職。96-98年と2006年-2007年英ケンブリッジ大留学。2006年12月-2007年3月「医療費の将来見通しに関する検討会」委員、2008年1月から社会保障国民会議委員。 ――医療の現状について、どんな認識をお持ちなのでしょうか。まず医療提供体制の面からお伺いします。 「今日的医師不足」の状態にあると思っています。従来から、他の先進国に比べて日本の医師は数多くの外来・入院患者を診てきました。これまでも決して医師数が充足していたわけではなかったのですが、日本の医療は医療者の献身的な働きで支えられてきたわけです。ところが、1999年の横浜市立大学病院の「患者取り違え事件」の頃から状況が変わってきました。メディアによ...