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日本学術会議がADRの整備を提言-法務委員会・和田仁孝氏に聞く

インタビュー 2008年3月5日 (水)  聞き手・橋本佳子(m3.com編集長)

日本学術会議法学委員会医療事故紛争処理システム分科会は2月14日、「医療事故をめぐる統合的紛争解決システムの整備へ向けて」と題する報告書をまとめた。院内医療メディエーターの育成を求めるとともに、院外の第三者の紛争処理機関である医療ADR(裁判外紛争処理手続)の整備を提言する内容になっている。分科会での検討の経緯と報告書の狙いを聞いた。 「多様な患者ニーズに応えるため、様々なタイプのADRの整備が必要」と語る和田仁孝氏。 ――まず分科会が設置された経緯をお教えください。 “医療崩壊”や“萎縮医療”と言われる医療の現状は、国民的な問題になっています。日本学術会議には法学委員会がありますが、法律家の立場からこの問題にアプローチできないか、学術会議としてアカデミックの立場で貢献できることはないかと考えたのがきっかけです。ただ、この問題は、法律家だけでは議論できないので、医療関係者にも議論に加わっていただきました。 ――医療者と患者間の紛争解決において、どんな点が問題だとお考えですか。 “医療崩壊”の原因としては様々なものが考えられますが、その一因が訴訟です。産科医や外科医が減っている背景には、...