無過失補償制度は責任追及の場でない - 日本医療機能評価機構・河北博文氏に聞く
インタビュー
2008年2月12日 (火)
聞き手・橋本佳子(m3.com編集長)
日本医療機能評価機構の「産科医療補償制度運営組織準備委員会」が先月、報告書をまとめた。脳性麻痺の子供およびその家族に対して無過失補償を行う機能と、事故原因の分析・再発防止の機能を併せ持つ第三者機関の設置を提言する内容だ。この仕組みについては、「補償金を元手に提訴することも考えられ、かえって裁判の増加につながるのでは」「医療者の責任追及の場になる恐れもある」といった懸念も多い。制度創設の狙いや仕組み、今後のスケジュールなどについて、委員会代理の河北博文氏(日本医療機能評価機構理事)に聞いた。 「3月の理事会で正式決定したら、準備を始める」と話す、委員長代理の河北博文氏。 ――2006年11月の自民党の「医療紛争処理のあり方検討会」の報告書を受けて、議論がスタートしたとお聞きしています。 自民党の「医療紛争処理のあり方検討会」は様々な検討を行っていますが、われわれはそのうち、11月29日の報告書「産科医療における無過失補償制度の枠組みについて」を基に、検討を進めました。委員会には様々な立場のメンバーがおり、まずはフリーディスカッションから始めました。しかし、あくまで自民党の報告書で示された...
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