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個人の責任追及では再発防止につながらず◆Vol.11

スペシャル企画 2008年11月12日 (水)  司会・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

――医療事故への業務上過失致死傷罪の適用を限定するのであれば、並行して自律的処分制度が必要だと。“医療事故調”は真相究明の組織として作る。 安福 “医療事故調”を作る立法より、こちらの立法の方が先ではないでしょうか。 佐藤 その通り。原因を追究するところで終わる仕組みにしないとだめです。皆、安易に考えすぎです。「“医療事故調”ができれば、今回のような事件は起きない」などと言っていますが、私は「その逆だ」と思う。“医療事故調”が報告書をまとめれば、それを基に検察は起訴できます。 安福 様々な場で言っているのですが、“医療事故調”の基本は真相究明・再発防止であり、それが患者側への説明、医療の進歩発展、医療者の教育につながる。処分は最後の最後です。それを「医師の責任追及を排除しません」としていたら、何をやったって、結局は、そこに行きます。医師の責任が追及されると分っている事故調査をやっても、誰が法的リスクを冒してまで調査に協力しますか。それを強制できますか。結果として正しい答えは出てこない。 医療は人間がやる行為である以上、医療事故は誰か特定の個人の行為が引き金になって起きるわけです。あるい...