【大阪】在宅医療での特定行為「医師の手順書発行に壁」‐間宮直子・大阪府済生会吹田病院副看護部長に聞く◆Vol.2
インタビュー
2021年5月7日 (金)
庄部勇太(m3.com契約ライター)
看護師が医療行為の一部を医師に代わって行う「特定行為」。大阪府済生会吹田病院の副看護部長・間宮直子氏は2016年の研修修了以来、創傷患者に特定行為を行い手応えを感じているが、在宅医療の現場ではスムーズに介入できないこともあるという。「壁」となっているのが、医師による手順書の発行だ。どういうことなのか(2021年3月15日インタビュー。全3回連載)。
――間宮さんは在宅患者にも特定行為を行っているそうですね。過去に取材した特定看護師によると、病院に在籍する看護師が在宅医療の現場で特定行為を推進していくのは、「医師の手順書発行」の兼ね合いから容易ではないとのことです。
私も同じ印象を抱いています。そもそも、特定行為は研修を修了した看護師が自己判断だけで行えるものではありません。「患者さんがこんな状況・状態のときはこんな特定行為を行っても良いですよ」という、医師が発行した手順書があってこそ実施できるものです。病院にいる場合は組織ぐるみで特定行為の必要性をメンバーと共有でき、また既に信頼関係を築けている医師もいるので手順書の作成はそう難しくありませんが、在宅医療の現場で...
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