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「勤務医では刑事訴追のリスクを回避できず」◆Vol.2

レポート 2008年8月4日 (月)  司会・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

――では、「なぜ勤務医を辞めたか」を、それまでのキャリアを含めてお教えください。 1996年卒。消化器内科医。2007年春、退職。内視鏡検査や消化器内科の外来などを複数の病院で担当。 C先生 私の場合は、研修医の頃から、「今のこの制度はおかしい」と思っていました。 先日、テレビで医療問題を取り上げていたのですが、ある県立病院の院長が、「今まで大学から医師が“供給”されていた。われわれは、それを使い捨てにしていた」と発言していた。「使い捨て」にしていた研修医が新臨床研修制度で来なくなり、地域医療が立ち行かなくなった。「使い捨て」にしていた状況は皆が気付いていたはずですが、いざ「供給」が絶たれて、初めて問題にするようになったわけです。 僕自身は、研修医が働くことを前提としている当直体制、当直医が救急を担当し夜通し働き、翌日も勤務しており、それで何かあると刑事告訴の危険がある現状、大学院生が無給で診療を余儀なくされている事実――。様々な矛盾を、事あるごとに病院幹部あるいは行政に訴えたりしてきました。しかし、何の反応もなかった。 卒後10年が経ち、ある程度、院内で発言力も出てきた時でも、「そん...