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新米教授、医師1年目に「教授になりたい」と宣言していた

オピニオン 2021年4月29日 (木)  大塚篤司(近畿大学医学部皮膚科主任教授)

 あの日は医局全体がソワソワしていた。 一見普段どおり行われていたカンファレンスも会話間の沈黙が普段より0.5秒くらい長い。全員が少しだけ遠慮をして発言する。わずかな気遣いが医局員全体の緊張を的確に現していた。 今日、新しい教授が決まる。教授選がどのように行われ、ぼくら医局員にどうやって結果を知らされるのか、当然、スタッフに成り立ての人間には分からず、なんなら当事者の准教授すら理解していない印象であった。 風の噂で本命だと言われているのが、ぼくらがお世話になっている准教授。中からの生え抜きだ。業績も実績も人望もある。パーフェクトな教授候補だ。 これで負けるはずがない。 と、単純に信じられるほど教授選は甘くない。ぼくらが想像できないようなファクターXが教授選には存在し、時にそれが決定打となり致命傷となることを、ぼくは既に知っていた。 対抗馬はとある地方国立大の教授。旧帝大出身であるその先生は遠くから見ても十分にギラギラしていて、さらなる飛躍のために新たなポストを狙っているようであった。 50代半ばの対抗馬の教授が勝った場合、ぼくらのチームはおそらく解散となる。准教授はこの大学を去らざるを...