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「残念ですが、ポストが空いていません」

オピニオン 2021年5月22日 (土)  松永正訓(松永クリニック小児科・小児外科 院長)

  研究への道を探る  2002年に解離性脳動脈瘤になり、2003年はなんとか現場復帰できないかと迷いながら模索した。しかし2004年にはそれが無理だと悟って第2の人生を探し始めた。  ぼくの強みは二つある。一つは小児固形がんの治療に精通していること。もう一つは、サイエンスの知識と技術があることだ。当直をしなくても済む仕事といえば、医師ではなく科学者だ。ぼくはまず、大学院生のときに指導を受けた分子ウイルス学教室へ足を運ぶことにした。病院から医学部研究棟まで歩いて10分。昼休みに病棟を抜け出した。  ぼくの指導教官だったS先生は、もう教授になっている。ぼくが病気で大学を辞めると伝えると、S先生は椅子から立ち上がりながら驚かれた。  「残念ですね。まさかこういうことになるとは思いもよりませんでした。松永先生はきっと教授になると思っていました。そもそも私が教授になれたのも、先生のおかげです。先生の研究業績は歴代の大学院生でナンバーワンです。私も共著者に名前が載ったので、自分の業績にもなったわけです。小児外科の教授だって同じです。先生の業績のおかげです。つまり松永先生は二人の教授...