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救急医4人が一斉退職する理由-鳥取大学救急災害医学教授・八木啓一氏に聞く◆Vol.1

インタビュー 2009年2月10日 (火)  聞き手・橋本佳子(m3.com編集長)

先週、「鳥取大病院救命救急センター、3月末で専属医4人全員退職」というニュースが流れ、医療界に驚きが走った。同救命救急センター長で、救急災害医学教授の八木啓一氏によると、退職を決めた背景には、救急設備の非効率性や院内の診療体制の問題、多忙な業務、その一方での2004年度の卒後臨床研修の必修化以降の人手不足など、実に様々な要因があるという。様々な働きかけをしてきたものの、もはや改善は期待できない状況になり、「何も希望がなくなった」(八木氏)ことが退職の直接的な理由だ。 「もうすべて吹っ切れた」という八木氏に、退職の経緯や今の心境を率直に語ってもらった(2009年2月8日にインタビュー)。 1981年鳥取大学卒業、阪大特殊救急部入局。87年米国セントルイス大学麻酔科留学、92年防衛医科大学病院救急部助手、93年同講師、96年大阪府立泉州救命救急センター副所長、2000年青梅市立総合病院救急医学科部長、同救命救急センター長を経て、2002年10月から現職。 ――2月4日に院長とお二人で記者会見を開き、退職を公表されました。今の率直な気持ちをお聞かせください。 今回退職を決意したのは、様々な事...