「スーパー周産期」でモラルハザード誘発の懸念-都立墨東病院救命救急センター部長・濱邊祐一氏に聞く
インタビュー
2009年3月24日 (火)
聞き手・橋本佳子(m3.com編集長)
昨今の母体搬送問題を受け、東京都は「スーパー周産期」構想や「東京ルール」などの相次いで施策を打ち出した。「スーパー周産期」はこの3月25日からスタートする。 では一連の施策は、救急の最前線に立つ臨床医にはどう映っているのか。果たしてこれらの構想は機能するのか――。 東京都立墨東病院は、都内で救急医療で有名な病院の代表格。その救命救急センターの1985年の開設以来、同センターに勤務し、現在は部長を務める濱邊祐一氏に聞いた (2009年3月12日にインタビュー)。 濱邊祐一氏 1981年東京大学医学部卒業。85年から都立墨東病院勤務。95年から同院救命救急センターの責任者に。2001年から現職。『救命センターからの手紙』(集英社文庫、第47回日本エッセイスト・クラブ賞受賞)など著書多数。 ――先生は1985年に都立墨東病院に救命救急センターが開設されて以来、長年勤務されています。患者数などはどのように変化したのでしょうか。 患者については、数の変化と平均年齢の高齢化、疾患の変化があります。 救命救急センターのオープン当初、患者数は年間500-600人でした。その後、年々増え続け、現在は年間...
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