「検察は“医療事故調”の通知を尊重」の意味◆Vol.25
レポート
2009年4月7日 (火)
橋本佳子(m3.com編集長)
4月4日、福岡で開催された第109回日本外科学会定期学術集会の特別企画「医療事故への対応―医療安全調査委員会への期待―」で、法務省刑事局刑事課長の落合義和氏がシンポジストの一人として発言した。 落合氏は、「検察は医療事故に対しては謙抑的に対応しており、起訴に至る件数は年数件であり、ゼロの年もある。謙抑的なのは、検察の裁量によるのではなく、起訴に至る様々な段階において、医学の専門家の判断を基にしていることなどによる」と説明。その上で、「現在の医療事故の刑事裁判では、“鑑定合戦”になっている。また、一方的な見方で起訴され、裁判になっても結果的に無罪になった事例がある」と指摘、こうした事態を防ぐために診療関連死の死因究明組織である、「医療安全調査委員会」の早期設立が必要だとした。 医療事故と刑事手続きの現状などについて語った、法務省刑事局刑事課長の落合義和氏。 「公正取引委員会と同様の仕組みは無理」 厚生労働省は医療安全調査委員会の設立を目指し、2008年4月に第三次試案、同年6月に大綱案をそれぞれ公表しているが、両案に対しては医療界から問題視する声が上がっている。 特に強い懸念が上がってい...
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