小児科と耳鼻科の微妙な関係
オピニオン
2021年9月19日 (日)
松永正訓(松永クリニック小児科・小児外科 院長)
開業してしばらくすると、徐々に来院患者が増えてきた。多くの保護者と話をしているうちに、あることに気がついた。それは、お母さん方が、子どもが風邪を引いたときに小児科を受診するか、耳鼻科へ行くか迷っているという現実だ。例えば、こんな風に。※前回の記事はこちら
「うちの子、風邪を引いてしまって…先生のところが休診だったので、耳鼻科へ行ってきました。こんなに薬が出て、これでいいのかな?って」
「先生、うちの子、慢性蓄膿症と言われて、もう1年以上耳鼻科に通っているんです。それも毎日のように。用事があって行けない日があると、耳鼻科の先生、ものすごく怒るんです」
などなど。
そうか。子どもが風邪を引いたら、親は子どもを耳鼻科に連れて行くのか! 全然知らなかった。そもそも、大学病院で小児外科医をやっていると、耳鼻科の先生とはまったく接点がない。いや、19年間で1度だけあった。
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