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「低用量」の研究を巡る大論争

オピニオン 2021年11月7日 (日)  國頭英夫(日本赤十字社医療センター化学療法科)

 前回ご紹介したように、シカゴ大学が中心となったランダム化phase II studyで、前立腺癌に対する経口薬Abiraterone acetate(AA)を空腹時でなく食事と共に内服させることにより、4分の1量(1000mgから250mgへ減量)で同等の効果を得ることができると示されました。この研究では血中のAAやアンドロゲンの濃度など薬物動態・薬力学(PK/PD)検討も行って結果の裏付けをしています。 ところが、J Clin Oncol(JCO)誌に発表されたこの論文(下記文献1)に対しては、猛烈な批判が加えられました。まず、この発表論文に対するコメントとして出たEditorial(文献2)が、この論文を全面的に否定しました。発表されたオリジナル論文に批判的なEditorialがつくことは時々見かけますが、このケースではほとんど「この研究は無価値である」と結論づけていて、異例と言うより異様な印象をもちます。 まずこのEditorialでは、primary endpointとして採用された「12週時点でのPSA減少率」が、progression-free survival(PFS)...