「通常量」は治療に必要な量よりも高く設定されてしまっている可能性も
オピニオン
2021年11月21日 (日)
國頭英夫(日本赤十字社医療センター化学療法科)
非小細胞肺癌(NSCLC)に対するEGFR(Epidermal Growth Factor Receptor)の阻害剤(tyrosine kinase inhibitor, TKI)は、固形癌に対する分子標的薬として最も早く登場したものの一つです。最初に出たgefitinibは2002年に世界に先駆けて日本で承認され、当時は1日1錠で7000円超なんて、ものすごい高額な薬が出たなあと驚いたのが、今や隔世の感があります。その後、欧米でも承認されましたが、NSCLC全体を対象とした臨床試験で有用性が証明できず、いったんは取り消しになったりもしました。しかし、2004年に、EGFR-TKIの効果予測因子としてEGFRのactivating mutationが確認され、その後EGFRm+(activating mutation陽性)の集団に限定すると高い臨床効果が証明され、復活しました。...
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