国は水際対策の誤りを認めるべき - 厚労省検疫官・木村盛世氏に聞く◆Vol.11
スペシャル企画
2009年5月18日 (月)
聞き手・橋本佳子(m3.com編集長)
新型インフルエンザは、国内での2次感染例が相次いだことで、「水際対策」は奏功しなかったことが露呈した。国の対応は、「国内発生早期」に移ったが、この対策にも問題点があるという。現時点で行政および医療機関が取るべき対策について厚生労働省検疫官(東京空港検疫所支所・検疫医療専門職)で、医師の木村盛世氏に聞いた(2009年5月17日にインタビュー。木村氏の略歴等は『今の状況は政府が招いたパニック」- 厚労省検疫官・木村盛世氏に聞く』を参照)。 ――国内で2次感染例が相次いだことをどう見ていますか。 今回はたまたま開業医の先生が、迅速診断キットでA型陽性の患者のPCR検査を依頼して見付かったわけで、それ以外にもたくさん感染者はいると思います。実際、インフルエンザの定点観測では、今回2次感染が見られた中で、患者数がやや多かった地域もあると聞いています。こうした定点観測の動向把握に力を入れるべきだったのに、これまで国は「検疫オンリー」でやっていました。私は繰り返し言っていますが、インフルエンザの場合、水際対策は無理なのです。 米国でも検査を始めたから、あれだけ患者数が増えているわけです。日本も同様に...
m3.comは、医療従事者のみ利用可能な医療専門サイトです。会員登録は無料です。