「先進国の日本」で直面した大きな壁 - 鈴木基・感染研感染症疫学センター長に聞く◆Vol.1

　新型コロナウイルス感染症対策を実施するベースとなるのが、言うまでもなく感染状況の分析。ほぼ毎週開かれた厚生労働省の新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボードで、その分析資料を提出してきたのが、国立感染症研究所感染症疫学センターだ。 　2020年の年初以降、対応に当たってきたセンター長の鈴木基氏は、「ずっと大変だったが、その大変さの性質がどんどん変わってきた感じだ」と語る。分析に用いるデータ収集の困難さ、人材不足など、日本の感染症疫学分野の問題が露呈したとも受け止める鈴木氏に、これまでの対応と今後の見通しについてお聞きした。（2021年12月16日にインタビュー。全3回の連載）。...