右下腿に限局した膿疱を伴う紅斑と腫脹が体幹まで拡大した70代女性。自家製軟膏による不適切治療によって自家感作性皮膚炎を起こし、体幹にも皮疹が拡大、二次感染による膿疱も出現したと考えた。自己流のケアを中止させれば改善すると想定し、自己流ケアの中止を指示。同時にステロイド外用剤治療と抗生剤の内服を指示したが、1週間後の来院時にまったく改善が見られなかった。なぜ改善が認められなかったのか。果してこの患者の疾患は。帝京大学皮膚科准教授の多田弥生氏が、自験例を基に、今後の治療戦略について解説する。まとめ:...