医療の進歩により、心血管疾患による急性期の死亡は激減し、心不全の増加が強く懸念されるようになっている。2016年10月には、日本心不全学会が「高齢心不全患者の治療に関するステートメント」を発表。声明では「(慢性心不全)治療の進歩とは終末像の先送りにすぎないことにも思い当たる。そして高齢者においては、その先送りについての意味が見いだせない場合が少なくない」「ポリファーマシー(多剤併用・多剤処方)が蔓延しており(中略)、長期的な薬物療法の遂行がしばしば困難である」などと述べられている。診療指針と一線...