2018年5月に改訂された「小児急性中耳炎診療ガイドライン2018年度版」では、前回ガイドライン(GL)から踏襲された重症度アルゴリズムに基づき「軽症例には抗菌薬を投与せず、3日間経過観察(解熱薬など対症療法は行う)」「中等症以上にはペニシリンを第一選択」などの抗菌薬適正使用を強く意識した推奨が盛り込まれている。「そもそもGLは、セフェム系薬の不適切使用で高度耐性菌が増え、急性中耳炎が難治化した反省を踏まえて発行された」と話すアリス耳鼻咽喉科(千葉市)院長の工藤典代氏は、現在の耐性菌の状況からも...