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胃潰瘍3分の1、胃癌死も3位に【平成の医療史30年◆胃疾患編】

2018年12月26日  平成の医療史30年

 平成の30年間を通じて大きく変化した診療分野の一つに挙げられるのが、胃癌や胃潰瘍などの胃疾患だろう。胃疾患は諸外国に比べて日本人に多く、長らく国民病ともいわれていた。しかし、厚生労働省の患者調査によると、いずれの胃疾患も平成初期までは増加しているが、1999年(平成11年)あたりから下降している。胃疾患の年次推移とともに、平成を通じて胃疾患の撲滅に寄与した北海道大名誉教授・浅香正博氏のインタビューを、全3回で紹介する。(m3.com編集部・小島領平) 減少に転じた要因は?  まずは胃潰瘍。以前から増加していた総患者数は、平成に入っても増加を続け、1990年(平成2年)75万1000人、93年(平成5年)81万6000人、96年(平成8年)91万6000人。しかし、ここを頂点に下降に転じ、2002年(平成14年)64万9000人、08年(平成20年)43万5000人と激減し、14年(平成26年)には27万2000人と、ピーク時の3分の1以下になった(図1)。 図1. 胃潰瘍の総患者数、平成30年間の推移 (厚労省「患者調査」より作成)  胃癌についても...