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心移植再開前に阪大で進めた準備【平成の医療史30年◆循環器編】

2018年12月27日  平成の医療史30年

和田移植の報道を見て驚き ――福嶌氏が医師を目指そうと決めたのは、和田心臓移植のニュースを目にした小学6年生の時。  1968年8月8日に、テレビで和田寿郎先生の心臓移植のニュースが流れた。最初は神様のような報道ぶりだった。それが、レシピエントが亡くなった同年10月29日からは一転、和田先生が悪魔に変身させられた。まず「ここまで評価が180度変わることが世の中に存在するのか」と驚いた。次に「心臓って取り替えられるんや」ということに感動した。そして「心臓移植というのは、ドナーがいないと成り立たないので、ちょっと無理があるのかも。亡くなろうとしている人から心臓をもらう医療行為というのは結構大変だろうな」と思った。だから、その頃は「心臓を作りたいから医者になろう」と。当然、その当時は周囲から「何考えてんねん!」と笑われた。 ――その後、大阪大学の医学部に入学。  当時、第一外科の教授だった川島康生先生(現・大阪大学名誉教授、国立循環器病研究センター名誉総長)に「何をしたいのか」と聞かれたので、「臓器を作ったり、移植に関連した研究をしたりしたい」と答えた。川島先生に...