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消化性潰瘍を「治る病気」にした第一の変革【平成の医療史30年◆胃疾患編】

2019年1月4日  平成の医療史30年

浅香正博氏  平成の30年間で大きく変わった胃の疾患の診療。内視鏡検査の普及や胃癌に対する内視鏡手術など、さまざまな革新があった中で、疾患の減少に大きく寄与したのが、薬物療法の向上とHelicobacter pylori(ピロリ菌)除菌治療の普及ではないだろうか。日本におけるH. pylori研究の第一人者である北海道医療大学学長の浅香正博氏(北海道大学名誉教授)に、平成を通じた胃疾患の変遷を聞いた。Vol. 1では、浅香氏が「第一の変革」に位置付けるヒスタミンH2受容体拮抗薬(H2ブロッカー)やPPI(プロトンポンプ阻害薬)について。(聞き手・まとめ:m3.com編集部・小島領平/2018年11月26日取材、全2回連載) 平成は消化性潰瘍治療史の「第2-3期」に該当 ――平成を通じて胃疾患の治療を大きく変えたものは何でしょうか。  胃の疾患の中でも、消化性潰瘍の治療の変遷は、3期に分けられると考えています。それで言うと、平成は第2期の後半と第3期にまたがっているでしょう。  第1期は、H2ブロッカーの登場以前の黎明期。1980年頃だから、昭和の終わり...