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平成一の転換点は「介護保険」導入【平成の医療史30年◆認知症編】

2019年1月25日  平成の医療史30年

 「一度やった研究は必ず生かすことができた」と話す、国立長寿医療研究センター理事長の鳥羽研二氏。たどってきた足跡は「高齢者医療・介護者の負担」の適正化を起点に、「研究・論文化→ガイドラインなどによる手法の標準化→介護保険や医療保険への適用」を原則としたプロセスを確立し、医療・介護の質の評価を現場に取り入れる「社会実装」を目指す点で一貫している。そんな鳥羽氏にとって、平成最大の転換点は「2000年(平成12年)の介護保険導入」だった。(聞き手・まとめ:m3.com編集部・坂口恵/全3回掲載) 介護保険導入で、認知症が医療の閉鎖空間から介護・多職種に展開 ――2000年には厚生労働省班会議の班長を務めた鳥羽氏は、日本初となる高齢者総合的機能評価(CGA)ガイドラインも完成させた。同年、介護保険制度が開始された。  認知症にとって平成で一番の大きな転換点は、この介護保険の導入だったと思います。高齢者の認知症への対応が医療機関という閉鎖的な空間から、さまざまな職種・施設に広がったからです。表現は適切でないかもしれませんが、以前は“姥捨て山”という言い方もあったくらい、「家では介護でき...