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「食物アレルギーの対策が未熟だったと痛感」【平成の医療史30年◆アレルギー疾患編】

2019年2月6日  平成の医療史30年

 アレルギー診療のガイドライン作成や吸入ステロイドの普及に努めた国立病院機構福岡病院名誉院長である西間三馨氏に、平成を通じたアレルギー疾患の変遷を聞く企画。第2回では、アレルギー診療にまつわる2つの事件が臨床現場にもたらした変化を振り返る。アナフィラキシーショックに対する学校の体制は一気に変化した。(聞き手・まとめ:m3.com編集部・宮内諭/2018年12月17日取材、全3回連載) 2018年、正しいアレルギー情報を届けるwebサイト開設 ――平成の30年史で大きな転換点となった出来事はありますか?  アレルギー領域での大きな事件といえば、2009年(平成21年)頃から表面化してきた「茶のしずく石けん事件」ですね。ある商品を使った方に重篤なアレルギーが引き起こされたというものでしたが、結局、原因は石けんに含まれていた加水分解小麦でした。被害者数は2000人以上にのぼりました。  この石けんを製造していた会社は福岡県にあるので、多くの患者が国立病院機構福岡病院に来院しました。問診すると皆、「この石けんを使い始めてからアレルギーが出た」と言うのです。確かに、小...