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薬剤などの進歩が生んだ成果【平成の医療史30年◆眼科疾患編】

2019年2月7日  平成の医療史30年

白内障治療以外もこんなに進歩 ――白内障以外でも手技やデバイスが特に進歩した眼科疾患は?  まず、100年の歴史を持つ角膜移植に、全層移植以外に角膜の一部のみを移植する表層層状移植や内皮移植が加わりました。移植後のゆがみの問題が解消され、移植後の視力1.0というケースも珍しくなくなりました。全層角膜移植だけでは考えられなかったことです。  網膜剥離に代表される難治性の網膜硝子体疾患は、何度も繰り返し手術を行うことも珍しくありませんでしたが、現在では成績が向上し、治る疾患となりました。これは、手術のテクニックの向上と機械の進歩によるところが大きい。手術装置はだいたい5年ごとに新しいものが開発されます。平成の30年間で5-6世代更新されたことで、治せる病気が増えてきました。30年前の手術の方が全般的に“名人芸”が必要でした。現在は、白内障や緑内障など症例数の多い疾患は特に、手術に取り組みやすくなった気がします。  診断も大きく進歩しました。特に光干渉断層計(OCT)が登場し、2008年(平成20年)に保険収載されたことで、緑内障や黄斑疾患を他覚的に捉えられるようになりました。そ...