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HCV撲滅間近? 肝臓専門医の今後は【平成の医療史30年◆C型肝炎編】

2019年2月14日  平成の医療史30年

泉並木氏  平成の30年間で大きく変わったC型肝炎の歴史。直接作用型抗ウイルス薬(DAA)の登場によって患者数は大幅に減少し、C型肝炎撲滅が間近に迫ってきたが、専門家の見通しは……? 引き続き、武蔵野赤十字病院院長の泉並木氏の話を紹介する。(聞き手・まとめ:m3.com編集部・河野祐子/2018年11月29日取材、全2回連載) IFNフリー治療、ガイドライン委員会でもめた理由 ――インターフェロン(IFN)フリー治療の登場によって、流れが一変しました。  IFNフリー治療は、C型肝炎治療の歴史の中でも最も大きな出来事と言えるでしょう。2014年(平成26年)に最初のIFNフリー治療薬、ダクラタスビル(商品名:ダクルインザ)、アスナプレビル(商品名:スンベプラ)が出て、経口薬を半年間飲むだけで、90%という高いSVR率が得られるようになりました。  この時、東京医科歯科大学(当時)の榎本信幸先生(現山梨大学教授)らとC型肝炎ウイルス(HCV)の耐性変異というものを調べていたのですが、両剤とも薬剤耐性変異があると効かないということが分かりました。そのた...