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人工膝関節術の成績を飛躍させた新素材【平成の医療史30年◆整形外科編】

2019年2月18日  平成の医療史30年

クロスリンク・ポリエチレンの意義を説明する三浦氏  医療に関する一時代の話題を振り返る「平成の医療史30年」。整形外科領域では、日本人工関節学会理事長(愛媛大学病院長)の三浦裕正氏に話を聞いた。膝関節の専門家として挙げた平成における最も大きなトピックは、やはり手術の成績向上。三十余年の間に積み上げられたのは術者の技術向上に加え、クロスリンク・ポリエチレンなど素材の発達もあるという。人工膝関節の術後15年で95%以上の耐用年数が報告されるに至った変化とは何か尋ねた。(聞き手・まとめ:m3.com編集部・森圭吾/2018年12月12日取材、全2回連載) 「人工関節の一番の問題」を改善 ――人工関節の手術は、技術に加えてデザインや素材の要素も多分にありますね。  その通りです。整形外科医としての技量はもちろんですが、それだけでは今の術後成績は成し得ません。デザインや素材などの進化も技術の向上と同じくらいのウエートを占めています。  特に素材については、金属側も格段に良くなりましたが、それ以上に革命的と感じたのはポリエチレン側ですね。金属と組み合わせて用いられ...