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前立腺癌8倍に、BPHは50万人突破【平成の医療史30年◆腎・泌尿器科編】

2019年2月25日  平成の医療史30年

 体液中の老廃物を排出する泌尿器は、体内を一定の状態に保つ恒常性において重要な役割を担っている。この泌尿器に関する疾患の患者数で、平成の30年間で最も高い増加率を示したのは前立腺癌で約8倍となり、前立腺肥大症(BPH)も2.9倍に膨らみ50万人を突破、いわゆる「腎臓病」も増加傾向にある。平成の間にもたらされた泌尿器科疾患の変化を、患者数から振り返った。また次回からは、日本透析医会長・秋澤忠男氏(昭和大学腎臓内科客員教授)のインタビューを紹介する。(m3.com編集部・森圭吾) 1万5000人から21万1000人へと激増  厚生労働省の平成26年患者調査(疾病分類編)によると、増加率の最も高い泌尿器疾患は前立腺癌で、1990年(平成2年)の2万6000人から2014年(同26年)には21万1000人と、8.1倍にまで膨らんだ。(図1)。 図1. 前立腺癌の総患者数、平成30年間の推移 (厚労省「患者調査」より作成)  この間、前立腺癌の治療を巡っては、2012年(平成24年)にロボット支援腹腔鏡下前立腺全摘手術が保険適用となったり、去勢抵抗性前立腺癌(C...