1. m3.comトップ
  2. 臨床ニュース
  3. 日本が「透析大国」となった道のり【平成の医療史30年◆腎・泌尿器科編】

日本が「透析大国」となった道のり【平成の医療史30年◆腎・泌尿器科編】

2019年2月27日  平成の医療史30年

日本の透析医療は世界でも高水準と説明する秋澤氏  多彩な腎機能の一部を代替する透析医療、日本はその質、量ともに世界の大国と言える。平成の30年間で透析患者の数は増加の一途をたどり、高齢化も進んだ一方で、治療成績は大きく向上したという。透析医療においては、平成の間に何が起きたのか。腎・泌尿器科からは日本透析医会会長の秋澤忠男氏(昭和大学腎臓内科客員教授)が登場し、日本が「透析大国」に至る道のりを語った。(聞き手・まとめ:m3.com編集部・森圭吾/2018年12月14日取材、全2回連載) 高齢化などで患者数4倍も予後は悪化せず ――日本は世界でも自他共に認める「透析大国」といわれています。  おっしゃる通りで、その事実を統計からひもといてみましょう。まず、慢性維持透析療法下の患者数は、1988年(昭和63年)末が8万8534人だったのに対し、2017年(平成29年)末は33万4505人と、4倍近くにまで増加しています。この期間は日本の人口がピークを過ぎて減り始めているのですが、透析患者の数はずっと右肩上がりです。  患者背景については、平均年齢が1988...