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開業医ならではの地域医療の醍醐味とは【平成の医療史30年◆小児科編】

2019年3月18日  平成の医療史30年

 日本外来小児科学会会長の横田俊一郎氏(神奈川・横田小児科医院院長)にとって、平成の幕開けは「都心の病院の勤務医として経験した病院小児科の相次ぐ閉鎖だった」と振り返る。都市部でも子どもの出生数減少の波が押し寄せる一方、小児科医療は入院から外来に移行しつつあった。勤務医として日本外来小児科学会の前身である日本外来小児科学研究会の設立に関わっていた横田氏は、全国の開業医たちとの出会いを機に開業を決意。開業医には「自分の裁量」だけでなく、地域に根差した患者との付き合いがあり、さまざまな子どもが育っていく過程を保護者と一緒に経験できる醍醐味を味わいたかったと話す。(聞き手・まとめ:m3.com編集部・坂口恵/2019年1月取材、全4回連載) 都内で実感した子どもの激減 ――小児科にとっての平成の幕開けと言えば、1990年(平成2年)の「1.57ショック」。1966年(昭和41年)の「丙午(ひのえうま)」の合計特殊出生率1.58を下回り、政府が本格的な少子化対策に乗り出した時代でもあった。横田氏は東京大学医学部を卒業後、関連の東京警察病院などで小児血液腫瘍の診療に従事。1...