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新しい生命の誕生支える現場の30年【平成の医療史30年◆生殖医療編】

2019年3月26日  平成の医療史30年

 「患者に『おめでとうございます』と言えるのは産科だけ」――。産婦人科を志す医師にとって、仕事の魅力を最も要約した言葉がこれだろう。これから始まる命を助ける仕事という位置付けは昔から何ら変わらず、地域医療が崩壊しても、訴訟になっても、大震災が起きても、日々営まれてきた。「安心して産める環境」は、日本中の産婦人科医の信念によって提供されていると言えるかもしれない。現場の産婦人科医が声を上げ、現代のお産を支えるべく設立された2つの制度の変遷を見ていく。(m3.com編集部・軸丸靖子) 周産期をめぐる医療訴訟は減少傾向  訴訟リスクが高いイメージの強い産婦人科だが、医事関係訴訟全体に占める割合はここ最近、低下傾向にある。最高裁で公開している2011年度以降のデータでも、医事関係訴訟の全件数はほぼ横ばいだが、産婦人科関連訴訟が全体に占める割合は2011年度の10.6%から2017年度には7.2%に減少した(2017年度は速報値)。 図1. 医事関係訴訟事件(地裁)の診療科目別既済件数 (http://www.courts.go.jp/saikosai/vcms_lf...