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「子どもの病気を診て診療報酬」だけでは立ち行かなくなる【平成の医療史30年◆小児科編】

2019年3月28日  平成の医療史30年

 日本外来小児科学会会長の横田俊一郎氏による、外来小児科の平成30年間の振り返り。重症の小児患者が減り、外来での診療や子育て支援に小児科医療がシフトするにつれ、横田氏は「既存の小児科医療への給付やキャリアプランの枠組みに危機感を持っている」と率直な印象を語ってくれた。(聞き手・まとめ:m3.com編集部・坂口恵/2019年1月取材、全4回連載) 日本の子育て支援を考える上での「良いお手本」 ――重症の子どもが減り、外来小児科の中心は感染症診療だけでなく、予防接種や健診にシフトしてきた。子どもの病気と向き合ってきた小児科医の役割は、「子育て支援」「多職種連携」へと大きく変わりつつある、と横田氏は指摘する。  私が小児科医になりたての頃は「健診」や「子育て支援」の重要性というと、だいたい年配の先生が主張することみたいな位置付けだった気がします(笑)。今はすっかり変わりました。  一つは、2005年(平成17年)に発達障害者支援法が制定されるなど、発達障害に対する社会の理解が進み、支援体制の充実が図られるようになっていることがあります。文部科学省が2012...