1998年(平成10年)のヒトES細胞(胚性幹細胞)株の樹立、2007年(平成19年)のヒトiPS細胞(人工多能性幹細胞)株の樹立によって、失われた臓器や機能を取り戻す「再生医療」は現実のものになろうとしている。ES細胞/iPS細胞を用いた移植はどのように進歩してきたのだろうか。多能性幹細胞を用いた心不全治療の可能性を長年研究してきた大阪大学大学院医学系研究科心臓血管外科教授で、日本再生医療学会の理事長も務める澤芳樹氏に、再生医療の見通しを語っていただいた。近い将来、人工心臓や心臓移植しか治療法...