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乾癬治療、生物学的製剤の登場で大変革【平成の医療史30年◆乾癬編】

2019年4月12日  平成の医療史30年

 平成の30年間に起きた医療に関する話題を振り返る企画、皮膚科領域では、治療法が目覚ましい発展を遂げた乾癬を取り上げる。平成を通じて治療法がどう変化していったのか。その変遷を振り返ると共に、平成の時代を通して乾癬治療に携わってきた自治医科大学皮膚科教授の大槻マミ太郎氏へのインタビューを紹介する。(m3.com編集部・河野祐子) 加速する生物学的製剤開発と病態解明  乾癬は、保険病名になっている主要な病型として尋常性乾癬、関節症性乾癬(乾癬性関節炎)、膿疱性乾癬、乾癬性紅皮症があり、このうち尋常性乾癬が全体の90%近くを占める。皮膚の肥厚、鱗屑や赤みなどが人の目につきやすい部位に生じることから、患者の精神的負担も大きく、また高血圧症や高脂血症、糖尿病、心血管疾患など並存疾患の罹患率も高い。日本での乾癬の有病率は約0.3%といわれている(Kubota K, et al. BMJ Open 2015; 5: e006450)。  乾癬の治療法で最も古いものは紫外線療法で、その後さまざまな外用療法、内服療法が開発されてきた。平成に入ってからは、免疫抑制薬であるシクロスポリン(1992...