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「誰かがやらねば」MTX公知申請【平成の医療史30年◆乾癬編】

2019年4月17日  平成の医療史30年

大槻マミ太郎氏  自治医科大学皮膚科教授の大槻マミ太郎氏へのインタビュー。第2回は、バイオ開発と乾癬の病態論進展の背景、メトトレキサート(MTX)の公知申請にかけた思いについて。(聞き手・まとめ:m3.com編集部・河野祐子/2018年12月19日取材、全3回連載) 「偶然の発見」が病態論のパラダイムシフトに ――初めに出たバイオ2剤は、乾癬の治療を目的に開発されたものではありませんでした。どのような経緯で乾癬にも効くと分かったのでしょうか。  本来はリウマチや他の領域で開発された薬で、使ったら乾癬にもよく効いた、というような偶然の産物でした。2002年(平成14年)にリウマチの治療薬として承認された、TNF阻害薬のレミケードがブレイクスルーになっています。現在は、初めから乾癬を対象にさまざまなバイオの開発が進められるようになっていますが、現在の乾癬に対するバイオはTNF阻害薬、IL-17阻害薬、IL-23阻害薬の三つ巴と言えます。  また、バイオの開発によって病態の理解が進んできたことも、乾癬という疾患の大きな特徴です。例えば、IL-12/23阻害薬の...