最大の変化は「Target Therapy」の浸透【平成の医療史30年◆呼吸器編】
平成の30年間で呼吸器疾患はどう変わったのか。平成の初期から肺炎の臨床研究を続けている第一人者、倉敷中央病院呼吸器内科主任部長・石田直氏に話を聞いた。同氏が考える平成の時代にもたらされた肺炎治療の最大の変化は、「Target Therapy」の概念が浸透したことだという。自身の研究人生とともに、呼吸器領域の平成史を振り返ってもらった。(聞き手・まとめ:m3.com編集部・小島領平/2019年2月20日取材、全2回連載)
きっかけはDr. ニーダーマンの講演
――石田先生は医師になって6年目に平成を迎えました。当時はなぜ、呼吸器内科を選んだのでしょうか。
選んだ理由……難しいですね(笑)。私は1984年(昭和59年)に京都大学を卒業し、そのまま京大の胸部疾患研究所(現呼吸器内科)に入局したのですが、まあ、一つは教室の雰囲気ですかね。あと、呼吸器は腫瘍、感染症、アレルギー、免疫など、疾患のバラエティに富んでいて、一般内科にも近いところが魅力でした。平成を迎えたのは、国立姫路病院(現国立病院機構姫路医療センター)から倉敷中央病院に移った翌年でした。
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