1. m3.comトップ
  2. 臨床ニュース
  3. 「大きく開ける」外科の常識変わった30年【平成の医療史30年◆腹腔鏡下手術/da Vinci編】

「大きく開ける」外科の常識変わった30年【平成の医療史30年◆腹腔鏡下手術/da Vinci編】

2019年4月25日  平成の医療史30年

 わが国で最初の腹腔鏡による胃癌摘出術が行われたのは、ちょうど平成が始まった頃だ。この30年の間になくてはならぬ治療選択肢となった腹腔鏡下手術、中でも早期胃癌に対する腹腔鏡下胃切除術のパイオニア、藤田医科大学総合消化器外科教授の宇山一朗氏に、ここまでの歩みを聞く。(取材・まとめ:m3.com編集部・軸丸靖子/2018年12月17日取材、全3回) 腹腔鏡下手術の黎明期、「君が立ち上げろ」 ――わが国における腹腔鏡下手術は約30年前、平成の始まりと同じ頃にスタートしています。宇山先生の外科医人生とも、ちょうど重なりますね。  私が岐阜大学医学部を卒業し、慶應義塾大学の外科学教室で外科医としてのトレーニングを始めたのが1985年(昭和60年)ですから、同じ頃になるのですね。当時はまだ、消化器疾患の手術といえば開腹しか方法がありませんでした。  当時の慶應外科は研修カリキュラムがきっちりと決まっていて、7年目になると関連病院に一度出向することになっていました。私も1991年(平成3年)に練馬総合病院(東京都練馬区)に出向したのですが、ちょうどその前年、本邦第一例...