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平成の30年間に世界で一番使われた薬【平成の医療史30年◆スタチン編】

2019年5月31日  平成の医療史30年

 過去30年間に世界で最も多くの患者に使われ、最も多くの人々の健康寿命を延ばしてきた薬といえば、スタチンをおいて他にないだろう。現代医療に多大な影響を与えたコトやモノの中心人物に取材しているm3.comの特集「平成の医療史30年」。今回は、スタチンを開発した遠藤章氏(東京農工大学特別栄誉教授、株式会社バイオファーム研究所代表取締役所長)にご登場いただく。インタビューの前に、まずはスタチン誕生の歴史を振り返る。(m3.com編集部・軸丸靖子) 冠動脈疾患の予防と治療に革命を起こした薬  スタチンとは、低密度リポプロテイン(LDL)コレステロールの血中濃度を強力に低下させる作用を持つ、HMG-CoA還元酵素阻害薬の総称だ。安全性と有効性に優れ、冠動脈疾患の予防と治療に文字通りの“革命”を起こした。欧米の医学の教科書には現在も、「米国で1994-2004年に冠動脈疾患による死亡率が33%減ったのは遠藤博士が発見したスタチンのおかげと言って良い」と、顔写真入りで紹介されている(ラインハート・レンネバーグ著『カラー図解EURO版バイオテクノロジーの教科書(下)』講談社)。...