藤田光江(著)『わかってほしい!子ども・思春期の頭痛』(南山堂)より転載はじめに一般病院の常勤小児科医として働いていた30年前、自分の専門分野を作ることを勧められ、選んだのが子どもの頭痛でした。なぜ頭痛かというと、外来を受診するさまざまな子どもの症状のなかで、頭痛は、医学生時代・研修医時代を含めて教わっていない分野で、教科書や論文をみても載っている情報はわずかしかなかったからです。外来を受診する子どもの頭痛の多くは、発熱など風邪症状に伴う頭痛で、病気が治ると頭痛も消失します。ところが、当時は、風...