日本ワクチン学会はこのほど、特例承認されたアストラゼネカ製の新型コロナウイルスワクチンについて、学会としての見解をまとめた文書をホームページに掲載した。承認されても使用されていない国内の状況を踏まえ、同ワクチンの特徴、接種による副反応など7項目について情報を整理したうえで、「まずわが国で活用されることが不可欠」と結論づけている。
極めてまれだが、同ワクチンの副反応として塞栓および血栓の事象が報告されている。これらの副反応について、欧州医薬品庁(EMA)の報告として、「約3400万回接種で222件(100万回接種で6.5件、2021年4月4日現在)」であること、「多くは60歳未満の女性で、接種後2週間以内に発症していること」を挙げた。また、国内第1/2相試験では、「192例で該当する事象の発現は認められていない」ことも挙げている。
取り扱いの利便性については、「一般の診療所等でインフルエンザワクチン等の場合と同様の取り扱いで個別接種が可能であることや、安定した状態での搬送が困難な僻地における訪問接種にも適しているといった特徴が利点になり得る」と言及した。
国内に...
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