この患者の気管支喘息重積を防ぐ手立てはなかったのか?
寺沢秀一 (著)『研修医当直御法度 百例帖第2版』(三輪書店)より転載 Case 26歳、男性 既 往 気管支喘息でテオフィリン(テオドール)、サルブタモール(ベネトリン)とプレドニゾロン10 mgを隔日に服用して通院中。 病 歴 2日前から鼻水、咽頭痛が出現し、その日の夕方から気管支喘息の発作が出現して午後7時に救急室を受診し、ベネトリン 0.5 mLの吸入で軽快し帰宅した。翌日午前5時、再度wheezing dyspneaにて来院し、同じ治療で軽快して帰宅。しかし家に着くころにはwheezingが出現し、wheezing dyspneaは続いていた。その翌日の昼11時に救急車で運ばれてきた。 所 見 座位になり、全身チアノーゼ、著明な発汗がある。JCS 30、血圧150/90、脈拍126 /分、呼吸32/分、SpO2 82、体温37.4℃、気管の偏位なし、皮下気腫は触れず、聴診でwheezingに左右差はない。 経 過 両鼻カテーテルで酸素5 L/分を開始、ベネトリン0.5 mLの吸入、ネオフィリン250 mg静脈注射、ソル・メドロール1...
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