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中咽頭がん、治療強度減弱の課題と展望

2021年7月17日  米国立がん研究所(NCI)

(海外がん医療情報リファレンス7月5日付記事を転載) 唾を飲み込みたくないほど喉の中が激しく焼けるのを想像してみよう。それどころか、何も問題なく飲み込めるはずの唾液を大きなコップに吐き出す。何度も何度も。何週間も。 2014年の一時期、それがJason Mendelsohn氏の日課だった。 「そのコップの中の唾液は非常にドロドロとして粘り気があって、洗面台の流しには流れないと思いました」とMendelsohn氏は物語った。Mendelsohn氏は44歳で中咽頭がんの診断を受けた。 中咽頭がんは頭頸部がんの一種で、喉の奥に生じる。Mendelsohn氏の腫瘍は、中咽頭がんの好発部位、扁桃にあった。喉の炎症は、治療の一環として受けた放射線治療が原因であった。 Mendelsohn氏は放射線治療を受ける前に、頸部のリンパ節切除術を受けた。さらに、放射線治療だけでなく化学療法も受けた結果、手足の指にヒリヒリ、チクチクする痛み(末梢神経障害)が残った。7年経った現在でも、軽度とはいえ、この副作用が残っている。 Mendelsohn氏は、ある意味で中咽頭がんの新たな現実を体現している。これまで、中...