寺沢秀一 (著)『研修医当直御法度 百例帖第2版』(三輪書店)より転載
Case 82歳、男性
既 往
20歳に虫垂切除、3年前、急性心筋梗塞にて入院歴あり。
病 歴
午後3時から、腹部全体に激しい痛みが出現。嘔吐なし、下痢なし、胸痛なし、背部痛なし、呼吸困難なし。痛みが持続するため、午後6時に救急室を受診。
所 見
苦悶状、意識清明、血圧140/70、脈拍78/分(不整)、呼吸28/分、体温37.2℃。腹部はやわらかく、膨隆なし。腹部全体に圧痛を認めるが、腹膜刺激徴候はない。拍動性腫瘤なし、雑音(bruit)も聴取しない。
検 査
白血球9,800、ヘモグロビン11、血清アミラーゼ正常、尿中アミラーゼ正常、検尿:血尿なし、腹部X線撮影:小腸ガスあるも、ニボー形成はみられない。腹部エコー:胆石なし、心電図:心房細動、V1~V4にQSパターン
経 過
コリオパン1 Aの静注で腹痛変わらず、ソセゴン30 mg筋注でやや軽くなったが、依然苦しそうであったため、アタラックス...
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